募集要項
募集要項

2025 日本倫理・哲学グランプリ 課題

次の4つの課題文のうちから1つを選択し、後の「哲学エッセイを書くにあたって」を参考にしつつ、エッセイを書きなさい。

課題文

1

善く生きることと、美しく生きることと、正しく生きることは、「同じ」ことである。
プラトン『クリトン』

2

偶然が人間の実存性にとって核心的全人格的意味をもつとき、偶然は運命と呼ばれるのである。
九鬼周造『偶然性の問題』

3

あなたが望むどんな経験でも与えてくれるような、経験機械があるとしよう。とんでもない神経心理学者たちがあなたの脳を刺激して、見事な小説を書いている、友達をつくっている、面白い本を読んでいるなどと思い、感じるようにさせることができるとする。その間中ずっと、あなたは、脳に電極を取りつけられたまま、水槽の中に浮かんでいる。あなたは自分の人生のもろもろの経験をプログラムしたうえで、この機械に一生繋がれているべきだろうか?
ロバート・ノージック『アナーキー・国家・ユートピア』 

4

④ 近年中国、韓国、アメリカなどの国で、死んだペットの犬や猫の細胞からクローンを作るビジネスが急成長している。死んだ生き物のクローンを生み出す技術は、絶滅した種を復活させるなど様々に応用できるが、どのようなことであれば許されるのか。倫理的・哲学的観点から考えなさい。

哲学エッセイを書くにあたって

哲学エッセイは、学校でよく課題に出るいわゆる「生活作文」(生活の中で体験したことについて自分が感じたこと、考えたことを書くもの)ではありません。そうではなく、ある問題やテーマに関して、自分なりに問いを立て、様々な角度から考察し、筋道立てて書くものです。評価のさいには以下のような点が重視されます。

  • 選んだ課題文に含まれるテーマや問題とどれくらい向き合っているか。
  • そのテーマや問題についてどれくらい深く考え、理解しているか。
  • 自ら問いを設定し、それに答えるべく論じ、結論を出しているか。
  • 主張や意見を述べるさい、なぜそう言えるのか、明確な理由を挙げているか。
  • 具体的で分かりやすく、説得力のある首尾一貫した論述になっているか。
  • 反対の立場も検討しつつ、自分の立場をはっきりさせて論じているか。
  • 自分なりの論点や考えを含んだエッセイになっているか。

こんなことを言われても、実際にはどうすればいいのか分からないかもしれませんし、これらのポイントをすべて満たすなんて無理でしょう。でも、書きながら迷い、悩んでください。それでもチャレンジするのが大事です。

応募規定

応募規定詳細

  • 対象:中学生・高校生
  • 文字数:4000字程度:A4用紙縦
  • 論文は1人1編とし、作品は未発表のものに限ります。
  • 論文は、原則としてお返しできません。


発表

2025年9月末に応募を締め切り、11月に結果を発表(予定)。選考結果は参加者宛に通知する他、本ホームページ上でも公表します。

選考委員

国際哲学オリンピック日本組織委員に加え、東京大学ほか倫理・哲学専攻教員で編成

金賞(1名)
賞状、副賞 (図書カード1万円)

銀賞(3名)
賞状、副賞 (図書カード5千円)

銅賞(5名)
賞状、副賞 (図書カード3千円)

奨励賞 (※全応募数の5%を目安)
賞状、副賞 (図書カード2千円)
日本倫理・哲学グランプリの入賞者は来年2026年5月に開催予定の国際哲学オリンピックの選考会(2026年2月実施)に参加することができます。選考会でグランプリ、準グランプリを受賞した上位2名が国際大会に出場できます。
Page Top