2025 日本倫理・哲学グランプリ 課題
次の4つの課題文のうちから1つを選択し、後の「哲学エッセイを書くにあたって」を参考にしつつ、エッセイを書きなさい。
課題文
1 |
善く生きることと、美しく生きることと、正しく生きることは、「同じ」ことである。
|
2 |
偶然が人間の実存性にとって核心的全人格的意味をもつとき、偶然は運命と呼ばれるのである。
|
3 |
あなたが望むどんな経験でも与えてくれるような、経験機械があるとしよう。とんでもない神経心理学者たちがあなたの脳を刺激して、見事な小説を書いている、友達をつくっている、面白い本を読んでいるなどと思い、感じるようにさせることができるとする。その間中ずっと、あなたは、脳に電極を取りつけられたまま、水槽の中に浮かんでいる。あなたは自分の人生のもろもろの経験をプログラムしたうえで、この機械に一生繋がれているべきだろうか?
|
4 |
④ 近年中国、韓国、アメリカなどの国で、死んだペットの犬や猫の細胞からクローンを作るビジネスが急成長している。死んだ生き物のクローンを生み出す技術は、絶滅した種を復活させるなど様々に応用できるが、どのようなことであれば許されるのか。倫理的・哲学的観点から考えなさい。 |
哲学エッセイを書くにあたって
哲学エッセイは、学校でよく課題に出るいわゆる「生活作文」(生活の中で体験したことについて自分が感じたこと、考えたことを書くもの)ではありません。そうではなく、ある問題やテーマに関して、自分なりに問いを立て、様々な角度から考察し、筋道立てて書くものです。評価のさいには以下のような点が重視されます。
- 選んだ課題文に含まれるテーマや問題とどれくらい向き合っているか。
- そのテーマや問題についてどれくらい深く考え、理解しているか。
- 自ら問いを設定し、それに答えるべく論じ、結論を出しているか。
- 主張や意見を述べるさい、なぜそう言えるのか、明確な理由を挙げているか。
- 具体的で分かりやすく、説得力のある首尾一貫した論述になっているか。
- 反対の立場も検討しつつ、自分の立場をはっきりさせて論じているか。
- 自分なりの論点や考えを含んだエッセイになっているか。
こんなことを言われても、実際にはどうすればいいのか分からないかもしれませんし、これらのポイントをすべて満たすなんて無理でしょう。でも、書きながら迷い、悩んでください。それでもチャレンジするのが大事です。
応募規定詳細
- 対象:中学生・高校生
- 文字数:4000字程度:A4用紙縦
- 論文は1人1編とし、作品は未発表のものに限ります。
- 論文は、原則としてお返しできません。
発表
2025年9月末に応募を締め切り、11月に結果を発表(予定)。選考結果は参加者宛に通知する他、本ホームページ上でも公表します。
選考委員
国際哲学オリンピック日本組織委員に加え、東京大学ほか倫理・哲学専攻教員で編成
賞
金賞(1名)賞状、副賞 (図書カード1万円)
銀賞(3名)
賞状、副賞 (図書カード5千円)
銅賞(5名)
賞状、副賞 (図書カード3千円)
奨励賞 (※全応募数の5%を目安)
賞状、副賞 (図書カード2千円)