2022 日本倫理・哲学グランプリ 課題
次の4つの課題文のうちから1つを選択し、「哲学エッセイを書くにあたって」を参考にしつつ、エッセイを書きなさい。
課題文
1 | 悪徳はいくらでもたやすく手にはいる。そこに至る道はなだらかで、悪徳はすぐ近くにある。しかし、不死なる神々は(人間たちに対して)徳の前に汗を置いた。そこに至る道は長く険しい。はじめは起伏が多いが、しかし頂上に行き着けば、その後はどんなに困難でも行き着くことはたやすい。
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2 | 世界を合理的に見る者にとって、世界の側は合理的な側面を見せる。その関係は相互的である。
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3 |
生きていくうえで大切なもののなかには、商品になると腐敗したり堕落したりするものがあるということだ。したがって、市場がふさわしい場所はどこで、一定の距離を保つべき場所はどこかを決めるには、問題となる善—健康、教育、家庭生活、自然、芸術、市民の義務など—の価値をどう測るべきかを決めなければならない。これらは道徳的・政治的な問題であり、単なる経済問題ではない。
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4 |
下手な真実なら知らない方がいいのに。 |
哲学エッセイを書くにあたって
哲学エッセイは、学校でよく課題に出るいわゆる「生活作文」(生活の中で体験したことについて自分が感じたこと、考えたことを書くもの)ではありません。そうではなく、ある問題やテーマに関して、自分なりに問いを立て、様々な角度から考察し、筋道立てて書くものです。評価のさいには以下のような点が重視されます。
- 選んだ課題文に含まれるテーマや問題とどれくらい向き合っているか。
- そのテーマや問題についてどれくらい深く考え、理解しているか。
- 自ら問いを設定し、それに答えるべく論じ、結論を出しているか。
- 主張や意見を述べるさい、なぜそう言えるのか、明確な理由を挙げているか。
- 具体的で分かりやすく、説得力のある首尾一貫した論述になっているか。
- 反対の立場も検討しつつ、自分の立場をはっきりさせて論じているか。
- 自分なりの論点や考えを含んだ個性的なエッセイになっているか。
こんなことを言われても、実際にはどうすればいいのか分からないかもしれませんし、これらのポイントをすべて満たすなんて無理でしょう。でも、書きながら迷い、悩んでください。それでもチャレンジするのが大事です。
応募規定詳細
- 対象:中学生・高校生
- 文字数:4000字程度:A4用紙縦
- 論文は1人1編とし、作品は未発表のものに限ります。
- 論文は、原則としてお返しできません。
※ | 手書き作成の場合、論文の1枚目に必ず個人応募票を添付し、ホチキスで止めて下さい。 個人応募票が添付されていないものは無効となりますのでご留意下さい。 |
※ | 個人応募票は、こちらからダウンロード出来ます。 万一、ダウンロードが出来ない場合は日本倫理哲学グランプリ事務局までメールでご請求下さい。 |

個人応募票・記入内容 (応募フォームから送る場合、個人応募票貼付の必要はありません)
1 | 選んだ課題の記号 |
2 | 氏名 |
3 | 住所と電話番号 |
4 | メールアドレス |
5 | 学校名と学年 |
6 | 学校住所と電話番号 |
7 | 英語による国際大会参加の希望の有無 |
※ | 備考欄には倫理や哲学に興味を持ったきっかけや今の関心、IPOをどのようにして知ったか、 この国内選考にあたっての意気込み、なども書き添えて下さい。 |
発表
2022年9月末に応募を締め切り、11月に結果を発表いたします。選考結果は参加者宛に通知する他、本ホームページ上でも公表します。
選考委員
国際哲学オリンピック日本組織委員に加え、東京大学ほか倫理・哲学専攻教員で編成
賞
金賞(1名)賞状、副賞 (図書カード1万円)
銀賞(3名)
賞状、副賞 (図書カード5千円)
銅賞(5名)
賞状、副賞 (図書カード3千円)
奨励賞 (※全応募数の5%を目安)
賞状、副賞 (図書カード2千円)