2023 日本倫理・哲学グランプリ 課題
次の4つの課題文のうちから1つを選択し、後の「哲学エッセイを書くにあたって」を参考にしつつ、エッセイを書きなさい。
課題文
1 |
人間の子どもはすべての動物のなかで最も手に負えないものである。いまだ制御されていない知性の泉を、すこぶる豊かにもっている分だけ、ずる賢くて油断ができない、動物のなかで最もやっかいなものである。
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2 |
異常と思われているものは、被造物のあいだに設けられたある特殊な秩序にてらして異常であるにすぎない。普遍的秩序にてらして言えば、すべてのものがそれにかなっているからである。これはまったくほんとうであって、この世界には絶対的に不規則なことなど何一つ起こらないばかりでなく、そうしたものを考えだすことさえもできないほどである。
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3 |
人の体は父母をもとにし、天地を始まりとしている。自分の体は、天地・父母の恵みを受けて生まれ、養われている以上、自分だけのものではない。天地からいただいたもの、父母の残してくれた体であるから、慎んでよく養い、傷つけないようにして、天寿を長く保つべきである。これが天地・父母に仕える孝の原点である。
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4 |
AI(人工知能)は哲学することができるか? |
哲学エッセイを書くにあたって
哲学エッセイは、学校でよく課題に出るいわゆる「生活作文」(生活の中で体験したことについて自分が感じたこと、考えたことを書くもの)ではありません。そうではなく、ある問題やテーマに関して、自分なりに問いを立て、様々な角度から考察し、筋道立てて書くものです。評価のさいには以下のような点が重視されます。
- 選んだ課題文に含まれるテーマや問題とどれくらい向き合っているか。
- そのテーマや問題についてどれくらい深く考え、理解しているか。
- 自ら問いを設定し、それに答えるべく論じ、結論を出しているか。
- 主張や意見を述べるさい、なぜそう言えるのか、明確な理由を挙げているか。
- 具体的で分かりやすく、説得力のある首尾一貫した論述になっているか。
- 反対の立場も検討しつつ、自分の立場をはっきりさせて論じているか。
- 自分なりの論点や考えを含んだ個性的なエッセイになっているか。
こんなことを言われても、実際にはどうすればいいのか分からないかもしれませんし、これらのポイントをすべて満たすなんて無理でしょう。でも、書きながら迷い、悩んでください。それでもチャレンジするのが大事です。
応募規定詳細
- 対象:中学生・高校生
- 文字数:4000字程度:A4用紙縦
- 論文は1人1編とし、作品は未発表のものに限ります。
- 論文は、原則としてお返しできません。
発表
2023年9月末に応募を締め切り、11月に結果を発表(予定)。選考結果は参加者宛に通知する他、本ホームページ上でも公表します。
選考委員
国際哲学オリンピック日本組織委員に加え、東京大学ほか倫理・哲学専攻教員で編成
賞
金賞(1名)賞状、副賞 (図書カード1万円)
銀賞(3名)
賞状、副賞 (図書カード5千円)
銅賞(5名)
賞状、副賞 (図書カード3千円)
奨励賞 (※全応募数の5%を目安)
賞状、副賞 (図書カード2千円)